
【近畿初】多田神社が倒産し、民事再生申請へ。民事再生の実例を元に多田神社復活の可能性を探ってみる。
どうも、けーたろーです。
川西市の多田神社の情報です。
多田神社を運営する宗教法人多田神社が、8月24日までに神戸地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けました。
近畿の神社では初めての事になります。
その紹介だけではニュースサイトのコピーになってしまうので、民事再生の実例を元に多田神社復活の可能性を探ってみました。
それでは詳細をどうぞ。
箕面市池田市の地域サイト「箕面池田マガジン」がはこちらから。
詳細はここから
多田神社の場所
多田神社の地図はこちら。

2024年11月の記事でお伝えしているように、境内に16億円の根抵当権がかけられ、競売の危機にあった多田神社。
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2024.11.21
多田神社境内に16億円の根抵当権がかけられ、競売の危機に。神社側は競売阻止に向け提訴。
どうも、かわマガ@けいたろうです! 今日は多田神社の話題です。 既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、11/19夜に公開された神戸新聞の記事の冒頭はこちら↓ 清和源氏発祥の地と伝わる兵庫県川西市多田院多田所町の多田神社で、国史跡となっている約5万平方メートルの境内に、融資の担保とし...
多田神社について
川西市多田院に鎮座する多田神社は、天禄元年(970年)に源満仲が創建した多田院を起源とする、清和源氏発祥の地です。
満仲をはじめ頼光、頼信、頼義、義家の五公を祀り、勝運・厄除け・家運隆昌の神として信仰されています。
本殿や拝殿などは国の重要文化財。
宝物殿には宝刀「鬼切丸」の他、多数の書画などが収納されていた。
これまでの経緯
これまでの経緯を簡単にまとめると以下の通り。
・約5万平方メートルの境内に、融資の担保として総額16億円を上限(極度額)とする根抵当権が設定されている
・債権者は4者
・そのうち京都市の不動産仲介業者の申し立てにより9月に神戸地裁が尼崎支部が競売開始を決定
・国の重要文化財に指定されている本殿、拝殿、トイレなど神社内全ての建物が登記されていて、土地を担保に融資を受けられる根抵当権が2023年9月以降に設定された
・今年2月に急死した宮司が借金の担保にしたものとみられるが、神社関係者はこの事を知らなかった
・契約書も残されていない
・債権者は不動産仲介業者、京都市、大阪府の飲食業の男性、大阪府豊中市の中古車販売業の男性など
・極度額はそれぞれ7000万〜10億円
・神社側は意異議を申し立て、神戸地裁尼崎支部に提訴中
ここまでがこれまでの流れ。
その後、帝国データバンクによると、宗教法人多田神社(基本財産の総額1200万円、川西市多田院多田所町1-1、代表役員代務者齋木竜也氏)は、8月24日までに神戸地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けたそうです。
先ほど挙げた交渉は長期化し、早期解決の目処が立たず、裁判所の関与の下で再生を目指すことになりました。

川西市広報みらいふの表紙にもなった宝刀鬼切丸
民事再生とは?
ここで民事再生について知っておきましょう。
民事再生とは、借金の返済が難しくなった会社や個人が、裁判所の関与のもとで債務を減額・分割返済し、事業や生活の立て直しを目指す手続です。
基本的な流れは、
2.債権額や財産、今後の収益見込みを調査
3.債務の減額率や返済方法を定めた「再生計画案」を作る
4.債権者による決議
5.裁判所が認可
6.計画に沿って返済を続ける
破産が財産を処分して会社を清算する手続なのに対し、民事再生は原則として事業を続けながら再建を目指します。
多くの場合、現在の経営陣も残れます。
ただし、債権者の同意を得られない、資金繰りが続かない、再生計画を守れない場合などは、
手続が廃止されて破産へ移行することがあります。
つまり、簡単にいえば「法人を潰して整理する」のではなく、借金を整理して会社を生き残らせるための裁判手続です。

表現としては「倒産」となりますが、資金繰りに行き詰まり、債務を通常通り返済できなくなった状態の総称を倒産と呼び、民事再生は、倒産手続のうち事業継続を目指す「再建型」に分類され、「破産」とは異なります。
だから、終わりじゃない
つまりここで言いたいのは、「これで多田神社がなくなる」という話ではないという事です。
関係者は解決に向けて必死に動いている事だと思います。
ここで、文字ばかりになりますが、民事再生についての実例をご紹介しておきます。
民事再生の実例
民事再生の実例を探すと、16億円前後の民事再生では、最終的な弁済額が1~2億円程度になるケースが普通に存在しています。
実例① 負債14億円 → 約9%
あるサービス業のケースでは、
- 負債:約14億円
- 再生計画の弁済率:約9%
- 事業譲渡型
となっています。
つまり単純計算なら、
14億 × 9% ≒ 1億2,600万円
を債権者に弁済する計画。
実例② 負債15億円 → 約11%
建設業のケースでは、
- 負債:約15億円
- 弁済率:約11%
- 自主再建型
なので、
15億 × 11% ≒ 1億6,500万円
くらい。
これもかなり「16億円のケース」に近い。
実例③ 負債17億円 → 13%
別の法律事務所の実績では、
負債約17億円の精密機器部品メーカー
→ 一般債権87%免除
というケースが紹介されています。
つまり弁済率は13%。
17億 × 13% ≒ 2億2,100万円
となります。
そしてさらに興味深いのが、
負債約16億円の医療法人
→ 一般債権90%免除
という事例。
つまり、
16億 × 10% ≒ 1億6,000万円
程度の弁済になる計算。
さらに極端な例も
負債約15億円の企業について、
85%免除
→ 残り15%を10年間で分割
という再生計画の実例もあります。
このケースだと約13億円をカットして、
約2億円を10年間で返済
という形。
かなり象徴的なのが「エル・エム・エス」。
事業継続を断念して清算型の民事再生になったケースで、
弁済率16.0%
だった。
しかも破産した場合の予想配当率が15.58%だったため、わずかに上回ることで再生計画が成立しました。
つまり民事再生は
「債権者が納得できる最低ライン以上を払えば、残りは免除」
という性格がかなり強い。
では多田神社なら?

仮に本当に、
再生対象となる一般債権が16億円
だったとすると、上記の実例からざっくり、
| 弁済率 | 16億円なら支払額 |
|---|---|
| 5% | 8,000万円 |
| 9% | 1億4,400万円 |
| 10% | 1億6,000万円 |
| 11% | 1億7,600万円 |
| 13% | 2億800万円 |
| 15% | 2億4,000万円 |
| 20% | 3億2,000万円 |
| 30% | 4億8,000万円 |
| 50% | 8億円 |
だから、「16億円の負債=16億円近く返さなければならない」という世界では全然ない。
むしろ今回見つかった16億円前後の実例を見ると、
1~3億円程度の弁済で再生するケースは十分現実的
と言えます。
もちろんこれは民事再生の例にならった仮説に過ぎません。
ですが、神社という安定した収入を得られる法人であることを考えると、決して無理な数字ではないし、その取り組みを応援したいと思います。
引き続き、かわにしマガジンでは多田神社の問題をお届けしますので、続報をお待ち下さい。
それではまた。
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